子どもたちのヒーロー、アンパンマン。
そのアンパンマンの作者が、やなせたかしさんです。
強いからヒーローなんじゃない、喜ばせるからヒーローなんだ
アンパンマンは、顔があんぱんで出来ており、少しでも濡れてしまうと力が出なくなってしまいます。
しかもそうなると、ジャムおじさんが新しい顔を焼いてくれないとまた戦うことが出来ません。
世界広しといえど、こんなに弱いヒーローは居ません。
でも、アンパンマンほど、弱者に寄り添うヒーローも居ません。
なんせ自分の顔をちぎり、お腹をすかせた子どもに分け与えるのですから。
なぜアンパンマンが生まれたか
アンパンマンには、やなせさんの人生観が反映されています。
やなせさんは、戦争を経験しています。
兵隊として戦地へ行き、仲間の死を経験したり、寒さや飢えに耐え、それでも国の為、正義の為となんとか生き抜きました。
しかし日本が敗戦してしまいます。
すると、こちらが正義で相手が敵となっていたものが、一日で全く正反対になってしまったのです。
ようするに正義とはその時の価値観で、人それぞれ違う事もあります。
やなせさんはそのことに悩み、考えた結果、”お腹をすかせた人を救う”事はいつでも、どんなときでも正義だと気付きました。
そして、自分の顔をちぎって子どもに与えるという世界初のヒーロー、アンパンマンが誕生したのです。