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本多静六「私の財産告白」の内容と要約、感想|貯金と投資の極意

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「私の財産告白」という本を読んで、とても面白かったのでご紹介したいと思います。
著者は、本多静六。
日比谷公園を設計し、”公園の父”とも呼ばれる本田静六は、投資家でもありました。

貧乏だからお金が貯まらない、公務員だから給料が少ない、凡人だから金儲けなんて諦めよう・・・

本多静六は、幼少期から貧乏に苦しみ、学校も一度落第し、職も学者のため給料は多くは無かったにも関わらず、現在の価値にして数十億円を超える大資産家となった。

「本多式四分の一貯金」「二割利食い、十割益半分手放し」など、どれも言われれば当たり前の方法ばかりであり、全て王道である。
ただまっすぐにやり続ければ誰でも、確かな財産を築くことの出来る道である。

「日本近代化の父」大実業家・渋沢栄一や第8代・17代総理大臣を務めた大隈重信、みずほグループを抱える安田財閥の祖、安田善次郎らの顧問を務めたほどの稀代の賢人が、自らの人生体験から「財産」を語る。

50年以上読み継がれてきた不朽の名著。
誰にでも出来る、「ブレない財産の作り方」のバイブル。

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投資家としての本多静六

題名にもある通り、この本は投資家としての本多静六の蓄財術や心構えなどが紹介されている本です。
これから貯蓄や資産運用について勉強したいなぁと思っていた自分にとっては、まさに最適の1冊でした。

本田さんは、東京大学の教授です。
給料は平均よりも少し良いくらいでした。
ですが、本田さんが築いた資産は、現在の価値で約100億円

本の説明文にも「本多式四分の一貯金」「二割利食い、十割益半分手放し」など書いてありますが、この本はいわゆるHowTo本ではありません。
基本は日々の努力を怠らず、自らは倹約に励み、少しずつ貯金したお金で投資しろ、というような本質的な精神論を説いています。

本多式蓄財法

この本は最近仮想通貨のブームに乗って投資を始めた、という人(まさに僕)には本当に勉強になることばかり書いてあります。

投資するのに元本がない、という人がいますが、元本というのは働いて得たお金を少しずつ貯めていく事でしか出来ないのです。

貯金生活をつづけて行く上に、一番のさわりになるものは虚栄心である。
徒らに家柄を誇ったり、今までの仕来りや習慣にとらわれることなく、一切の見栄をさえなくすれば、四分の一天引生活位は誰にでも出来るのである。

自分のネウチが銀若しくは銅でしかないのに、暮しの方は金にしたい。金メッキでもいいから金に見せかけたい。
こういった虚栄心から多くの人が節倹出来ないのである。

銀はどうせ銀、銀なりに暮せばいいのであるが、更に人生をより安全にし、生活をより健全にしようとするならば、むしろ一歩を退いて―事実は一歩を進めて―実力以下の銅なり、鉄なりの生活から出発して行くべきだろうではないか。

例え収入が少なくても、倹約すれば貯金は出来るのです。
本田さんも貧しい時から収入の4分の1を貯金していました。
それが「本多式四分の一貯金」なのです。

貯金を作る生活は、先ず、家計簿をつける生活から始まらねばならぬことを、特に力説しておきたい。

貯金する為には、まず収入と支出をしっかりと把握しなければならないと述べています。
今はマネーフォワードとかがありますから、本当に便利になったものです。

勤労生活者が金を作るには、単なる消費面の節約といった消極策ばかりでは十分でない。
本職に差し支えない限り、否本職のたしになり、勉強になる事柄を選んで、本職以外のアルバイトにつとめることである。

本田さんは本業の大学教授の傍らで文章の執筆を行っていました。
最低でも1日原稿用紙1ページ分は書くということを日課にしていたそうです。

貯金とアルバイトで雪達磨の芯を作る。さて、この後をどうするのか。これからが「致富の本街道」である。
新しく積極的な利殖法を考えることである。

それは断じて「投機」ではない。「思惑」ではいかん。
飽くまでも堅実な「投資」でなければならぬのだ。

本の中で本田さんは、”お金というのは雪だるまのようなもの”と述べています。
最初は小さなものでも、中心にしっかり玉が出来れば、あとは面白いように大きくなってくるといいます。
その最初の玉の目安として、本田さんはまず100万円を貯めるべきと説いています。

貯金と今で言う副業で元本を作ったら、いよいよ投資です。
本田さんは投機は絶対に行いませんでした。
あくまで身の丈に合った、自分で信じる事が出来るものにしか投資しなかったのです。

何事にも成功を期するには、是非これだけは心得おくべしといった、大切な処世信條の一つを披瀝(ひれき)して置く。
それは、何事にも「時節を待つ」ということだ。焦らず、怠らず、時の来るを待つということだ。
投資成功には特にこのことが必要である。
要するに財産蓄積に成功しようとすれば、焦らずに堅実に、しかも油断なく時節を待たければならない。

いわゆる宋襄(そうじょう)の仁で、世の薄志者を気の毒がって甘やかすのも禁物。
ウマイ儲け口に欲張って乗せられるのも禁物。
つまらぬ侠気(きょうき)を出して借金の保証に立つのも禁物。

初めの間は手堅く勤倹生活をつづけていて、急に途中からぐれ出す人々を多く見掛けるが、仔細にこれを調べてみると、何れも功を急いで不堅実なやり方をしたものばかりである。
すなわち実力相当な進み方をしていればよいのに、資産不相応な融資をしたり無理算段の投資をしたり、己れの器量以上に大きな仕事や、不慣れな事業に手を染めたり、とにかく、徒に成功をあせったり、堅実を欠くに至った人達が失敗に帰しているのである。

だから、少しばかり金が出来ても、早く金持ちになろうとか、急に財産を殖やそうと焦るのは、たとえ一時の小成功を収めることはあっても、必ず最後はつまずきを招くものであるから、何人もよく注意しなければならない。

短期で莫大な利益を得ようといった心では、良い投資をすることが出来ないということ。
これは肝に命じておきたいですね。

そして本田さんは、「好景気には勤倹貯蓄を、不景気には思い切った投資を」とも言っています。
好景気の時は金利が高いので貯金でもリターンを得られます。
不景気の時は株価や地価も低いので、投資すべきという事ですね。

一様に、戦後の大変革の巨浪はおそって来た。そうして、更に一様に、失うべきもののすべてを失い、崩さるべきもののすべてを崩された。お互いにただ感慨無きを得ないわけである。

古往今来、天下滄桑(そうそう)の変の前には、天才者も凡人も、大事業家も小貯蓄家も、共に蒙るべき打撃に、大小軽重の差はなかったようである。
世界が動けば、自分も動く、世界がいかに動いても、自分だけはどうあっても動かぬという決め手は、昔からついぞ誰にも無かったようである。

ここで私は、「時勢には勝てない」という詠嘆と共に、「人生は七転び八起き」という古い言葉を今更ながら思いおこしたい。

それ故、私は体験社会学の一章としてこういいたい。
「失敗なきを誇る勿れ、必ず前途に危険あり。失敗を悲しむ勿れ、失敗は成功の母なり。禍を転じて福と為さば、必ず前途に堅実なる飛躍がある」と。

いくら本田さんでも、当然失敗はあります。
大事なのは、失敗を次に活かす事なのです。

金儲けを甘くみてはいけない。
真の金儲けはただ、徐々に、堅実に、急がず、休まず、自己の本職本業を守って努力を積み重ねて行く外、別にこれぞという名策名案はないのであって、手ッ取り早く成功せんとするものは、また手ッ取り早く失敗してしまう。

没落の後に残るものは悪徳と悪習慣、そして時には不義理な借金ばかりであろう。
戦後如何にこうした小成金的金儲けのために、身を誤り、家を損なったものが多かったことか。

私のここに賛する金儲けとは、決してそんなちゃちな意味のものではない。
もっと永続的な、もっとモラルな、もっと社会的意義のある成功を指すのである。
儲けること―それは、独り金銭上の儲けをいうばかりではなく、道徳上にも、教養上にも、生活上にも、社会奉仕上にもウンとプラスすることをいうのである。

お金儲けに近道は無いのです。

職業を道楽化する方法はただ一つ、勉強に存する。努力また努力の外はない。
あらゆる職業はあらゆる芸術と等しく、初めの間こそ多少苦しみを経なければならぬが、何人も自己の職業、自己の志向を、天職と確信して、迷わず、疑わず、一意専心努力するに於いては、早晩必ずその仕事に面白味が生れて来るものである。

一度その仕事に面白味を生ずることになれば、もはやその仕事は苦痛でなく、負担ではない。
歓喜であり、力行であり、立派な職業の道楽化に変って来る。

実際、商人でも、会社員でも、百姓でも、労務者でも、学者でも、学生でも、少しその仕事に打ち込んで勉強しつづけさえすれば、必ずそこに趣味を生じ、熱意を生み、職業の道楽化を実現することが出来る。
それは私の今日まで体験して来たところでも全く明らかである。

そして、自分の仕事を天職と確信して努力する事こそが、職業の道楽化です。
そうすれば、お金儲けの為だけでは得られないものも得る事が出来るのです。

そこでわれわれは、かりに一歩を天才には譲るとしても、努力に依る「亜天才」をば志さなければならない。
何も初めから遠慮して天才に負けてしまう必要はない。
「天才マイナス努力」には、「凡才プラス努力」の方が必ず勝てる。
私は八十年来これでずっと押し通して来て、何事にもそれほど見苦しいひけを取って来たとも思わない。

さてここに、凡人者の天才者に対する必勝―とまでは行かなくとも、少なくとも不敗の―職業戦術がある。
それは「仕事に追われないで、仕事を追う」ことである。
つまり天才が一時間かかってやるところを、二時間やって追いつき、三時間やって追い越すことである。
今日の仕事を今日片づけるのは勿論、明日の仕事を今日に、明後日の仕事を明日に、更にすすんでは今日にも引きつけることである。

努力、努力、ひたすら努力。
努力にまさる才能は無いのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
本田さんは築いた資産を全て、匿名で寄付しました。

自らは倹約に励み、投資で財を築き、社会に貢献する。
これほど器の大きい人物になりたいものです。

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