仕事にも慣れてきて、今後の人生設計について少しずつ考え始める人が多い、20代。
今回はそんな20代の方に向け、自分のライフプランはどう考えるべきか?をまとめてご紹介したいと思います。
【目次】
人生にはどれくらいのお金が必要か
資産を築く方法
1.人生にはどれくらいのお金が必要か
なんとなく貯金が大切なのはわかるけど、自分の人生にはいくらのお金がかかるか?というのをしっかり考えたことのない人も多いと思います。
そこで、人生の主なライフイベント・出費を下記にご紹介します。
結婚
最初の大きなライフイベントは、結婚です。
結婚式、披露宴、新婚旅行の合計の平均額は、約400万円となっています。
内訳としては、式と披露宴で300万円、婚約・結婚指輪で50万円、新婚旅行で50万円です。
その後新生活にかかる費用として、敷金礼金や家具家電などで150万円程がかかります。
そして新婚夫婦の平均家賃は10万円程です。
最近では少人数専門&格安ウェディング式場【小さな結婚式】などで10万円以下で開催する事も出来ます。
出産
結婚の次は、出産です。
平均費用は、約65万円です。
公立病院で一番安い費用としては、約35万円程です。
教育
子供を育てる教育費はどうでしょうか。
高校まで公立学校、その後私立大学に進学した場合、平均は約1000万円です。
一番費用がかからない、高校まで全て公立だと約550万円です。
ちなみに食費・医療費・学費を含んだ子供一人あたりの大学卒業までの養育費用は3000万円です。
住宅
住宅は、人生でも一番大きな買い物です。
全国のマンション価格の平均は約3200万円です。
では、マイホームを持つのと賃貸とでは、どちらがお得なのでしょうか。
「世界一笑えてわかりやすいお金の増やし方 篠原充彦著」という本に、わかりやすい比較が載っていますので、引用させて頂きます。
◯賃貸
・25歳〜30歳 独身
家賃6万円×12ヶ月×6年間=432万円
・31歳〜55歳 4人家族(子ども2人)
家賃13万円×12ヶ月×25年間=3900万円
・56歳〜87歳(平均寿命)
家賃6万円×12ヶ月×32年間=2305万円合計6636万円
◯持ち家
・25歳〜30歳
家賃6万円×12ヶ月×6年間=432万円
・31歳〜87歳(平均寿命) 3000万円(3LDKマンション購入)
頭金 500万円
ローン元金 2500万円
利息合計 978万円(金利2%/返済期間35年/元利均等返済)
諸費用 200万円
固定資産税 57年間×年10万円=570万円
修繕積立金・管理費 1368万円(月2万円)合計6548万円
費用面だけでみると、大差がないことがわかります。
でもマイホームは資産として残るじゃないか、という人がいるかもしれませんが、実はデメリットもあります。
・ローンを組む際、生命保険に入る必要がある
・マンションの場合土地の所有権もほとんどなく、価値が残りにくい
・転勤など変化があった場合にも、すぐに売ったり貸したり出来ない
人生で一番大きな買い物ですから、後から後悔しないように慎重に検討する必要があるのです。
車
平均購入価格は約240万円です。
最近では月数千円で利用する事ができるカーシェアリングも普及しつつあります。
維持費や車検代などを考えたらシェアカーの方が断然安いですからね。
保険
人生の3大出費は、マイホーム、教育費、生命保険と言われています。
毎月支払うものなので大きな買い物という自覚がないかもしれません。
1世帯あたりの年間支払い平均は約38.5万円です。
これを30歳から60歳までの30年間支払うと、1155万円になります。
もちろん保証の内容を全て自分でも把握して、万が一に備えたい、という人にとっては保険は素晴らしい制度です。
しかし、これだけの大きな買い物を、「なんとなく入った方が安心そう」や、「営業の方との付き合いで」加入するのは、間違いです。
まず、基本的に生命保険は”加入者が亡くなった時に遺族に支払われるもの”です。
例えばまだ幼い子どもを残して父親が亡くなってしまった場合、教育費や生活費に充てる事が出来るのです。
つまり、まだ独身の方にはあまり必要性が高くないということ。
生命保険は結婚して養う家族が出来てからでも遅くはないのです。
では、医療保険はどうでしょうか。
医療保険とは、万が一病気になった際などに治療費や入院費用を保証してくれるものです。
病気は怖いから、なんとなく入っておこう!という方、ちょっと待って下さい。
みなさんは健康保険に既に加入していると思いますが、実はこの公的制度でもかなりの部分をカバーしているのです。
例えば”高額療養費制度”というものでは、年収によって違いますが月に数万円以上かかった場合にそれ以上の部分を負担してくれます。
まずは既にある制度をしっかり把握して、備えとして貯蓄か、または保険に加入するか、という風に考えるのが正しいと思います。
[関連記事]
・生命保険などの保険は20代独身には必要か?
・働く君に伝えたい「お金」の教養|出口治明さんお勧めの保険の入り方
老後
貯金は将来の備えとしてするものですが、一番不安に感じるのは”老後”だと思います。
不安を解消する為には、まず老後にいくらあれば生活していけるのかを知ることが大事です。
老後の生活費の平均は、月に約24万円です。
日本には年金制度がありますので、これも考慮する必要があります。
平成27年の厚生労働省資料によると、年金の平均受給額は、国民年金が5万5157円、厚生年金が14万5305円です。
厚生年金であればこれだけでもなんとか生活していけそうですが、国民年金だけだと厳しいですね。
(ちなみに厚生年金は会社勤めであればほぼ加入していて、国民年金は自営業の方などが加入しています。)
また、この受給額は現在の制度上のものなので、今後受給開始年齢が上がったり、受給額が減ったりする可能性もあります。
仮に、年金をあてにせずに平均生活費の24万円を貯金で賄うには、
24万円×12ヶ月×27年(60歳から平均寿命87歳まで)=7,776万円必要な計算になります。
とはいえ24万円というのも平均なので、もっと質素に暮らすことも出来るでしょうし、年金もゼロになることはないでしょうから、”自分はいくらあれば生活出来るか?”を考えて計算してみるのも良いと思います。
必要な金額がわかれば、早いうちからコツコツ計画的に貯金出来ますからね。
2.資産を築く方法
前の章で紹介した主なライフイベントについて、全て平均的な価格がかかった場合、約1億3千万円になります。
人生に必要な金額がわかったところで、いよいよそのお金をどうやって用意するか考えましょう。
多くの人にとって、まず”銀行に貯金”というのが頭に浮かぶと思います。
しかし、ただ銀行に貯金するだけでは、一向にお金は増えません。
金利が0.001%だと、100万円預けていても1年で利息は10円です。
これはあまりにもったいありません。
お金は、”お金自体で稼ぐ”事も出来るのです。
それが、投資です。
日本人は投資というと苦手意識を持つ人もいますが、世界では凄くポピュラーです。
自分で働いてお金を稼ぎ、その稼いだお金がまたお金を稼ぐ、という好循環を作る事が出来ます。
もちろん投資なので元本割れのリスクもありますが、その分増える可能性もあるのです。
投資には株や投資信託、先物取引、FXなど様々なものがあります。
関連記事:初めての投資!株や投資信託色々あるけど、どこに投資すれば良い?
この中で初心者は株と投資信託を知っていれば十分でしょう。
まず株は、企業が発行するもので業績によって価格が変動します。
なので安い時に買って高い時に売れれば、その分が儲けになります。
しかし初心者が企業を分析し、将来を予測するのはかなり難しい上に、購入にはまとまった額(10万円〜)が必要になります。
投資信託は、簡単にいうとお金を預け、運用をプロに任せるものです。
多くの人によって預けられたお金は、株を含む様々な金融商品にバランス良く投資されます。
こちらは500円〜始められるものもあり、個人投資家の王道の投資方法です。
投資はコツコツ積み立てもOK
投資というと、一度にまとまったお金を用意する必要があるというイメージがあるかもしれませんが、そんな事はありません。
前述のように投資信託であれば月500円〜積み立てが出来ます。
例えば、25歳から毎月5万円は貯金に回そう!と思って、60歳まで毎月貯金するとします。
普通に貯めると、60歳で2,100万円になりますよね。
では、投資信託で5%の利回りで積立投資するとどうなるでしょうか。
なんと、5,565万円です。
倍以上になりました。
投資とは、こういうことです。
ちなみにこのシミュレーションは、新生銀行さんのHPで出来ます。
投資信託を選ぶ際の注意
投資信託を選ぶにあたって、注意すべき点があるのでご紹介します。
◯コスト
【信託報酬】
信託報酬とは、お金の運用を任せる代わりにプロに払う手数料です。
当然こちらとしては信託報酬が低いに越したことはありません。
投資信託には大きく2種類あり、それは「アクティブ運用」と「パッシブ運用」です。
アクティブ運用とは、より高い収益を目指してプロが様々な情報を分析し、積極的に運用するものです。
パッシブ運用は、日経平均株価などの指標に忠実に連動し運用するものです。
パッシブ運用の方が機械的な判断で分析などがあまり必要でないので、信託報酬は低いです。
おすすめとしては、パッシブ運用が良いと思います。
わかりやすい上に、手数料も安い、そして大抵のプロ投資家もパッシブ運用を上回る事は出来ない、というのが一般的です。
【売買手数料】
これは購入時にかかるものです。
例えば銀行の窓口などで買ってしまうとかなり高い手数料がかかりますが、ネットであれば0円のものもあります。
◯ファンドの資産規模・流動性を確認する
あまりに人気の無いファンドだと当然集まるお金も少なくなります。
目安として、資産が100億円以上あれば大丈夫でしょう。
ちなみに、過去の運用成績は参考にしてもあまり意味がありません。
成績が良かったからといって、これからも良いとは限りませんからね。
◯分配金
毎月分配型という、文字通り毎月分配されるものもありますが、これは手数料も高いので避けたほうが良いでしょう。
おすすめの投資信託
具体的なおすすめの投資信託については、投資のプロの意見をご紹介したいと思います。
「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」という本では、山崎元さんというお金のプロが下記の銘柄を紹介しています。
(ちなみにこの本、凄くわかりやすくて面白かったのでお勧めです)
(東証株価指数に連動している)
②ニッセイ外国株式インデックスファンド
(MSCI コクサイ インデックスに連動している)
↑の2つは、要は国内の株価と海外の株価に連動するものですね。
国内と海外と分けることで、リスクを分散しているのです。
この2つに半分ずつ投資する、というのが初心者にお勧めということです。
投資信託の購入方法
では、↑の2つを実際に購入するには、どうすれば良いでしょうか。
まずは、証券会社に口座を作る必要があります。
手数料も安くて定番なのは楽天証券です。
口座を作ったらあとは買いたいものを購入するだけなのですが、ここで考慮すべき点があります。
それは国が用意した”非課税制度”についてです。
非課税制度は、NISA(ニーサ)、積立NISA(つみたてニーサ)、iDeCo(イデコ)の3つがあります。
これらを活用すると、通常なら運用した利益に対して20%かかる税金が非課税となるので、かなりお得です。
それぞれの違いとしては、下記の通りです。
NISAは、前述の通り少額の投資による利益を非課税にする制度です。
iDeCoは個人型確定拠出年金といって、いわば自分で積み立てて運用する自分用年金です。
原則として60歳まで引き出すことが出来ませんが、掛け金を所得控除に使える為、節税効果が大きいというメリットがあります。
NISAと積立NISAは、併用する事が出来ません。
1つしか持てないので、自分に合った方どちらかを選択する必要があります。
そのどちらかとiDeCoは、併用する事が出来ます。
資金に余裕のある方は、節税面でも積極的に活用した方が良いでしょう。
証券会社に口座を作る際、NISAも同時に申し込む事が出来ます。
無事申込が完了すると、投資信託の購入が可能になります。
実際にシミュレーションしてみる
では、この記事でご紹介した方法で、実際にシミュレーションしてみましょう。
想定として、25歳で貯金0の若者とします。
貯金が今0なので、積み立てnisaが良いでしょう。
積み立てnisaのひと月の投資限度額は33,333円なので、ここはきりよく毎月3万円を、最大運用可能期間の20年間積み立てることにしましょう。
普通に貯金した場合は、3万円×12ヶ月×20年=720万円になりますよね。
これを、投資信託によって5%の利率で運用できた場合、1,222万円になります。
では、将来の為にももう少し資産運用にお金を回せる場合、iDeCoがお勧めです。
月に2万円をiDeCoで25歳から60歳まで35年頑張って積み立てたとしましょう。
こちらも5%の利率で運用出来たとすると、60歳の時点で2,226万円になっています。
どうでしょうか。
NISAの方も手を付けなかった場合、この2つで約3,500万円になりますから、充分老後の資産は築ける事になります。
毎月5万円なら、頑張れば出せる金額だと思います。
厳しいようであれば、5,000円でも十分です。
投資は無理のない範囲で、自己責任。
まずは家計簿を付けて出費を把握し、無駄な消費はやめて倹約に励みましょう。
財産を築くには、”収入を増やし、支出を抑える”のが基本です。
長期でコツコツ投資し、本業に励みましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
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