今は銀行にお金を預けていても、利息はほとんど付かない時代です。
これからは少しでも資産を増やすには、自分で運用しなければいけません。
そこで今回は、投資を始めるにあたって、知っておくべきこと、ポートフォリオの組み方などを入門編としてまとめてみました。
目次
関連記事:貯金ゼロから始める!20代の為の貯金&投資の資産運用マニュアル!
投資の種類
一口に投資といっても、様々な種類がありますので主なものをご紹介します。
投資信託
投資運用をプロに任せる事が出来るのが、投資信託です。
これから紹介する株やETFを、最適なバランスで投資してくれます。
初心者でも少額から始められるのが特徴です。
毎月500円〜投資出来るものもあり、こういった積立型なら、景気・価格・為替変動などの影響を受けにくくなるというメリットがあります。
また、購入時の手数料や運用コストを出来るだけ抑える事が大事です。
投資信託は、銀行や証券会社で購入する事が出来ます。
価格が変わるのは1日1回です。
ちなみに手数料も安くて定番なのは証券会社に口座を作る必要があります。
手数料も安くて定番なのは楽天証券です。
◯「アクティブ運用」と「パッシブ運用」
まず投資信託は、大きく2種類に分かれます。
それは「アクティブ運用」と「パッシブ運用」です。
アクティブ運用とは、より高い収益を目指してプロが様々な情報を分析し、積極的に運用するものです。
パッシブ運用は、日経平均株価などの指標(インデックス)に忠実に連動し運用するもので、この方針で運用するファンドをインデックスファンドと言います。
パッシブ運用の方が機械的な判断で分析などがあまり必要でないので、信託報酬は低いです。
値動きも把握しやすい為、初心者には最適です。
ETF
投資信託は銀行や証券会社で購入しますが、それの市場で売買出来る版がETFです。
最低購入価格は投資信託より高いですが、指値や成行で売買することが出来ます。
価格はリアルタイムで変動します。
株式
株式会社が発行する株式を購入するのが、株式投資です。
安く買って高く売る売却益狙いと、定期的に貰える配当金狙いのアプローチがあります。
株主優待が貰える企業もあるので、好きな企業を応援したいという方にもおすすめです。
企業の活動を長いスパンで追うには、年次報告書を読むのが良いでしょう。
あのウォーレン・バフェットも年次報告書は重要視していたそうです。
債券
自治体や企業が資金調達の為に発行する債券を購入するのが、債券投資です。
あらかじめ利率や満期日が決まっている為、満期保有した場合の元本割れリスクが実質ゼロです。
つまり、貸付先が破綻しない限りは基本的に大丈夫という事です。
債券には国が発行する国債、地方自治体が発行する地方債、企業が発行する社債があります。
リスクは国債<地方債<社債の順で高いです。が、利率もその順で高いです。
国の個人向け国債は1万円〜購入する事ができます。
地方債は国債より利回りがよく、優待券などが貰えることもあります。
社債が利回りは一番良いですが、最低購入価格は50万円〜などが多いです。
格付け会社によって、リスクが低い債券である事が認められたものを、投資適格社債といいます。
格付けにおいてトリプルB以上などの指標があります。
金
それ自体が価値を持つので、インフレと有事に強い傾向がある金投資。
必要額は高いですが、投資信託なら安く投資を始める事が出来ます。
不動産
アパートやマンションに投資するのが、不動産投資です。
物件価値上昇による売却益を狙う投資と、家賃収入を狙う投資があります。
節税効果も期待出来る投資方法です。
外貨
外国のお金で投資することを、外貨投資といいます。
個別の商品のリスクの他、為替も考慮しなければいけません。
外貨建て商品は、円高のときに購入し、円安のときに売却するのが基本です。
コモディティ投資
エネルギー、金属、農畜産物などの先物取引のことをコモディティ投資といいます。
新興国の発展や人口増加などによって需要の増加が見込め、先進国株式などに比べ大きなリターンを狙えるのが特徴です。
ただし先物取引は天候や社会情勢を読む必要がある為、上級者向けです。
投資信託ならプロに任せる事が出来るので、初心者は投資信託でコモディティ投資の商品を組み入れるのが良いでしょう。
ポートフォリオの組み方、方針
例えば一つの株に全財産を投資してしまうと、もしその株価が急落してしまった場合に大変な事になってしまいます。
なので、投資はいくつかに分散して投資する”分散投資”が基本です。
そしてその組み合わせの事をポートフォリオと呼びます。
例えば、輸出企業の株と輸入企業の株を半分ずつ持っていれば、基本的に一方が下がれば一方が上がるという動きをしやすいので、リスク回避が出来ます。
教科書的な分散投資としては、国内株25%、国内債券25%、海外株25%、海外債権25%というのがよく提唱されています。
株と債券も基本的に反対の動きをするので、さらに国内と海外でリスク分散をしているという事ですね。
しかし、世界のグローバル化が進んだ事により国内外の株価は連動性が高まってきており、いつでもこのポートフォリオが最適!という事はありません。
常に情報を自分で集め、ポートフォリオを調整していく必要があります。
資産運用で大事なこと
初心者が資産運用を始める場合、大事にすべき基本がいくつかあるので、ご紹介します。
投資は長期で!
相場を読んで、短期で利益を得るのはプロでも難しいです。
初心者が出来ることは、長期でコツコツ投資すること。
リーマンショックなどの大きな事態が起こっても、長期投資であれば利益を出せる事が結果として出ています。
複利の効果は大きい
アインシュタインは、「人類最大の発明は”複利”だ」と言ったそうです。
単利は元本だけに利子がつく計算方法ですが、複利は元本と利息の合算に対して利息がつく計算方法です。
時間が経過するにつれ、運用益も加速度的に増えていきます。
例えば100万円を預けるとして、利息が5%だとします。
単利だと年に5万円ずつ加算されるので、20年後に元本と利息で200万円になります。
これが複利だと、20年後に約265万円になるのです。
これは期間が長かったり、資金が増えるにつれて加速して増えていきます。
投資の利益の得方
投資の利益は、キャピタルゲインとインカムゲインに分けられます。
キャピタルゲインは、取得価格と売却価格の差から生まれる売買益のこと。
インカムゲインは、その投資商品を保有中に受け取る利息や分配金、配当金のことを指します。
コストを抑える
イニシャルコスト(初期費用・購入費用)とランニングコスト(運用にかかるコスト。信託報酬など)を出来る限り抑える事が大事です。
わずかな差でも、長く運用すると多額の手数料を払うことになります。
リスクを見極める
リスクを見極めるには、流動性、安定性、収益性が大事です。
流動性は、どれくらいの取引量があるかということ。これが少ないと、売りたい時に売れない、という状況になってしまいます。
安定性は、その発行体が破綻する恐れがないかなどの観点で大事ですし、どれくらい利益が出るかという収益性も大事です。
あまりに利息が高いと、その分リスクも高いという事なのでよく吟味する必要もあります。
インフレリスクに備える
コツコツ1000万円貯金しても、10年後にお金の価値が10%減っていれば、1000万円分の現金の価値は900万円分しかないという事になってしまいます。
金などはインフレに強い為、インフレリスクも考えたポートフォリオを組む必要があります。
分配型はやめたほうが良い
定期的に分配金が貰える商品もありますが、基本的にはおすすめしません。
分配金の分を出すということは元本が減るという事なので、投資効率が悪くなるのです。
おまけ:知っておいた方が良いこと、用語集
- IMFによる成長率予測
- IMF(International Monetary Fund、国際通貨基金)は、毎年1月と7月に世界の主要国の経済成長率予測を出しています。
例えば先進国株を持っていたりするなら、目安の一つにするのも良いと思います。 - 72の法則
- 72の法則とは、そのお金が2倍になる期間の目安が簡単に求められる算式の事です。72÷(金利)≒元本が2倍になる期間
となっており、例えば金利3%でお金を預けていけば、72÷3でおよそ24年で倍になるという事がわかります。
- 非課税制度
- NISAやiDeCoといった、投資するのに有利な税制優遇制度があります。
2018年からは新たに積み立てNISAも始まるので、是非活用したい制度です。ちなみにNISAは”少額の投資による利益を非課税にする制度”のこと。
iDeCoは個人型確定拠出年金といって、いわば”自分で積み立てて運用する自分用年金”と覚えておくと良いでしょう。 - ターゲットイヤー型ファンド
- 最終年に向けて安全性の高い商品の比率が大きくなっていくファンドのことを、ターゲットイヤー型ファンドと言います。
- オルタナティブ投資
- 株式や債券などの伝統的資産以外に投資することを、オルタナティブ投資と言います。
- ハイイールド債
- 利回りの高い債券の事を、ハイイールド債と言います。
利回りが高い=発行体の信用力が低い、リスクが高いという事にもなるので、リスク管理が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
投資の初心者が新たに始めるにあたって最低限知っておいたほうが良いことを入門編としてご紹介しました。
あくまで投資にはリスクがつきまとい、自己責任が原則。
怪しい情報に騙されないように必要な知識を身に付けていきましょう。
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